『奇想、天を動かす』

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島田荘司の小説をいくつか読んだ。

 

きっかけはというと、なぜか突然母親から吉敷竹史シリーズ 『奇想、天を動かす』が送られてきたからだ。何の予告もなく送りつけてきたので、ちょっと驚いたが、まあ一家の中で小説を読むのは俺と母親しかいないので、同好の士の小さな親切だったのかもしれない。

 

この本は、ミステリーとしてもなかなか面白かったし、ちょうどその頃、足利事件が劇的な結末を迎えていて、偶然ながらその点でも興味深く読んだ。

 

いまは御手洗潔シリーズの『眩暈』を読んでいる。これもトリックが変わっていて、軽い興奮を憶えながら、また関心しながら読んでいる。そしてこの著作もまた、以前東京で起こった非常にむごい事件を思い返させる。

 

特に意図せず、まったくの偶然で、こういった事件の類似性を持つ小説をタイムリーに読んでいるというのは何かの運命かもしれない。・・・そういえば、小学生の時に御手洗潔という名前の同級生すらいた。その頃はなんとも思わなかったが、今となってみれば、その名前を名づけた親はすごいと思わざるを得ないね。幸い、ミータンは便所掃除といじめられてはいなかったが。

 

もとい、どちらも現実の事件は、小説の後に起こったものだけれど、たぶんこれらに似たようなことはその昔にもポツポツとあったのだろう。そしてそのたびに、一般人はその事件の発生理由が途方も無さすぎて、現実感を失い、ただただ時間をやり過ごすことしかできないのだが、こうして似たような場面のある小説を読むことでただやり過ごすことなく、あるいはやり過ごし方を少しずつ変えていけるのかもしれない。少なくとも、「まあ酷い事件だわねえ」で切捨御免という近所のババアの感想レベルからは引き上げてくれる。

 

島田荘司は本格的な社会派ミステリーを標榜しているらしいのだが、それはまったく成功していると思う。ただのミステリーではなく、社会に衝撃を与えてきたような事件をうまく取り入れて、読む人に強烈な印象を与える小説を書いている。

 

そんなわけで、思わずブックオフで幾つかまた購入した次第。

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